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細胞:出芽酵母では異数性がプロテオームの量的変化と表現型変動をもたらす

Nature 468, 7321 doi: 10.1038/nature09529

異数性は、染色体数の異常を特徴とするゲノム含量変化のことで、実験生物では発生異常やがん、適応進化に関連付けられている。しかし、異数性が遺伝子発現にどのように影響するのか、また異数性が表現型の変動や正倍数体を上回る適応度の上昇を直接もたらす可能性があるのかどうかは、まだ明らかになっていない。今回我々は、定量的質量分析を用いるプロテオミクス手法と表現型プロファイリングにより、異数性を示す酵母株のタンパク質発現量が染色体コピー数とほぼ対応しており、それがトランスクリプトームにみられる傾向と同じであること、そして異数性が多様な表現型をもたらすことを示す。ランダムな減数分裂分離を使う新規方法を考案し、完全に同質遺伝子系統だが異なった核型と1Nから3Nの間のゲノム含量をもつ38種類の安定な異数性酵母株を、遺伝的選択をいっさい行うことなく作製した。さまざまな条件下、あるいは一群の化学療法薬や抗菌剤の存在下で増殖を定量的に解析したところ、対照となる正倍数体株にとって最適ではない条件下で、一部の異数体株が対照群よりもかなり盛んな増殖を示すことがわかった。これらの結果は、異数性がトランスクリプトームとプロテオームの両方のレベルで遺伝子発現に直接影響を及ぼして顕著な表現型変動が生じる場合があり、それが多様な条件下での適応度上昇をもたらす可能性があることを示す強力な証拠である。今回の知見は、正倍数体細胞と異数体細胞の適応度の優劣は状況や核型に左右されることを示しており、異数性が表現型の進化と細胞の適応の直接的原因になりうるという考え方の基盤となる。

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