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再生医学:肝再生には類洞内皮からの誘導性血管分泌シグナルが必要である

Nature 468, 7321 doi: 10.1038/nature09493

胚発生の間に、内皮細胞は循環系の発達に先立って器官形成を誘導する。こうした知見は、内皮細胞が単に栄養素や酸素を搬送する受動的な輸送経路を形成するだけでなく、誘導性の血管ニッチも確立させ、このようなニッチが、造血を助ける内皮細胞由来血管分泌因子(angiocrine factor)と同様の様式で、傍分泌性トロフォゲン群の産生を介して器官再生を促進することを示唆している。しかし、組織特異的な内皮細胞集団が、成体における器官形成を促進する機構の詳細についてはよくわかっていない。本研究では、肝類洞内皮細胞(LSEC)が、表現型と機能により見分けられるVEGFR3+CD34−VEGFR2+VE-カドヘリン+Factor VIII+CD45−内皮細胞からなる特異的な集団を構成することを示す。これらの内皮細胞は、血管分泌性トロフォゲンの放出を介して、70%肝切除により引き起こされる肝再生を開始し持続させる。部分肝切除後に残った肝血管系は、低酸素症や構造的損傷を受けずに正常に保たれ、生理的な肝再生の研究が可能である。このモデルを用いて、LSECでの血管内皮成長因子(VEGF)-A受容体2(VEGFR2)の遺伝学的誘導性除去が、内皮細胞特異的転写因子Id1の上方制御の阻害により、初期の爆発的な肝細胞増殖(部分肝切除後1〜3日)とその後の肝血管量の回復(部分肝切除後4〜8日)を障害することを示す。したがってId1欠損マウスでも、肝細胞増殖因子(HGF)やWnt2を含むLSEC由来血管分泌因子の発現低下のため、肝再生の全般にわたって異常がみられる。注目すべきことに、in vitro共培養ではLSECのVEGFR2-Id1活性化で肝細胞増殖が促進される。実際、Id1+/+ LSEC、あるいはWnt2とHGFを遺伝子導入したId1−/− LSEC(Id1−/−Wnt2+HGF+ LSEC)をId1−/−マウスの脾臓内に移植すると、肝類洞における誘導性血管ニッチが再び確立され、肝血管再生が開始し回復する。したがって、生理的肝再生の初期段階では、LSECでのVEGFR-Id1を介した誘導性血管形成が、血管分泌因子Wnt2とHGFの放出を介して肝細胞増殖を誘導する。続いて、VEFGR2-Id1依存的な増殖性血管形成により肝臓重量が回復する。誘導性のVEGFR2+Id1+Wnt2+HGF+ LSECと肝細胞との治療的共移植は、持続的な肝再生を実現するための効果的な手法となる。

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