Letter

物性:高Tc超伝導体の擬ギャップ相における隠れた磁気励起

Nature 468, 7321 doi: 10.1038/nature09477

高転移温度(高Tc)銅酸化物の擬ギャップ現象は、特性温度T*未満およびTcを超える温度での一連の異常な物理的特性であり、その解明は、過去20年間にわたって凝縮系物理学における大きな難問であった。破れた時間反転対称性が光電子分光実験で最初に示唆された後、最近の偏極中性子回折研究では、T*未満で異常磁気秩序が共通して存在することが実証された。これらの知見には、擬ギャップ領域が単なるクロスオーバー現象ではなく真の新物質相であるという深い意味が隠れている。さらに、これらの知見は環状軌道電流を伴う特定タイプの秩序と一致しており、また相図が量子臨界点に支配されるという考えとも一致する。今回我々は、HgBa2CuO4+δに関する非弾性中性子散乱実験の結果から、異常な秩序を伴う基本集団磁性モードの存在が明らかになり、こうした考え方のさらなる裏付けとなることを報告する。モードの強度は同じT*未満で上昇し、分散は弱い。これは、イジング的な秩序パラメータについて予想されたとおりである。これは、52〜56 meVというエネルギーから、分光学的研究で観測された、これまで説明されていないが広くみられる電子–ボソン結合特性の新しい候補となる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度