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地球:地震波異方性から得られる最下部マントルの変形

Nature 467, 7319 doi: 10.1038/nature09507

地球マントル最下部のD″層として知られる部分は、地震波速度が方向によって変化する地震波異方性がかなり大きい。これはおそらく、この領域に存在する主要な鉱物相と考えられるMgSiO3ポストペロブスカイト(ppv)が変形により整列したためである。そうであれば、ppvは斜方晶系なので、従来一方向のみで行われるのが一般的であったD″異方性のこれまでの測定は、ppv内で起きるすべりの機構の候補を判別するには不十分である。本論文では、沈み込む海洋スラブの物質が核マントル境界に衝突している北米と中米の下のD″層の異方性を、深発地震だけでなく浅発地震も用いて方位の範囲を増やして測定した。3つの地域でその都度異なる2つの方位角から、D″層におけるs波分裂の独立した測定を700回以上行った。その結果、これまで仮定されていた横軸等方性(地震波速度は方位方向の変化は示さない)は可能性がなく、より複雑な機構が関与していなければならないことがわかった。この結果とさまざまなMgSiO3–ppvの変形機構の適合を検証し、(001)軸の剪断が、この観測結果と沈み込み帯の直下の核マントル境界上で予測される剪断と最もよく一致することがわかった。マントル流の新しいモデル、すなわち支配的なppvすべり系のより高度な実験的決定と共にこの方法を使えば、核マントル境界における変形分布を求め、プリュームの生成などのD″層における過程とマントルの残りの部分とを関連付けることが可能になるだろう。

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