Article 構造生物学:葉の気孔を閉じる働きをするSLAC1陰イオンチャネルのホモログの構造 2010年10月28日 Nature 467, 7319 doi: 10.1038/nature09487 植物のSLAC1陰イオンチャネルは、気孔の開口程度を決める孔辺細胞中にあって、その膨圧を制御しており、それによって乾燥や高い二酸化炭素レベルなどの環境シグナルに応じて水蒸気や光合成気体の交換を調節している。今回我々は、SLAC1の細菌ホモログ(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来)の1.20 Å分解能での結晶構造を決定し、構造にヒントを得た変異体作製により、SLAC1チャネルのコンダクタンス特性を解析した。SLAC1は準対称なサブユニットからなる対称な三量体で、サブユニットそれぞれが、へリックスヘアピン対からなる10本の膜貫通へリックスをもっており、これらが5本のへリックスからなる中央の膜貫通孔を形成している。孔の開閉は、非常によく保存されているフェニルアラニン残基によっている。コンホメーションの特徴は、キナーゼ活性化による開閉制御機構を示しており、孔の静電的特徴と電気生理学的性質から、種々の陰イオンに対する選択性はおおむね、イオンから水を除くエネルギー損失の働きによっていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る