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細胞:セマフォリン–プレキシンによるシグナル伝達の構造基盤

Nature 467, 7319 doi: 10.1038/nature09468

セマフォリンリガンドによる、プレキシン受容体との結合を介した細胞–細胞シグナル伝達は、多くの組織の恒常性維持と形態形成に重要であり、ニューロンの結合性、がん、細胞移動や免疫応答に役割を果たすことから、広く研究されている。SEMA4DとSema6Aは、脊椎動物の多様な膜貫通型セマフォリン類のうちの2種類(セマフォリン4と6)を代表するもので、プレキシン類の最大のグループであるBとAのメンバーをそれぞれ介して、直接シグナル伝達を行うことができる。プレキシンの細胞外ドメインあるいはそのセマフォリンとの相互作用に関する構造情報がないために、細胞外部分の特異性やプレキシンシグナル伝達の制御機構はまだ解明されていない。今回我々は、プレキシンB1およびA2のセマフォリン結合領域が、セマフォリン細胞外ドメインと作る同種複合体(ヒトPLXNB11–2–SEMA4DectoおよびマウスPlxnA21–4–Sema6Aecto)の結晶構造、およびリガンドが結合していないPlxnA21–4とSema6Aectoの構造を示す。これらの構造と野生型および変異型タンパク質の生物物理学的分析と細胞レベルの分析から、セマフォリン二量体が2つのプレキシン分子とそれぞれ独立に結合し、シグナル伝達はこの結果生じる二価の2:2複合体の結合力に強く依存することがわかった(単量体セマフォリンはプレキシンと結合するが、シグナル伝達を惹起しない)。以上の結果から、セマフォリンにより安定化されたプレキシン二量体の形成と、それに続いて起こると考えられるクラスター形成が、細胞間シグナル伝達機構にかかわっていると考えられ、これは以前の機能解析データと合致する。さらに、セマフォリン–プレキシン両方のアミノ末端にあって7枚の羽根をもつβプロペラ(sema)ドメインの保存された相互作用により、複合体に共通する一般的構造が形成され、この共通の相互作用様式がセマフォリン–プレキシンを使うすべてのシグナル伝達を惹起することが示唆されるが、semaドメインの羽根内部あるいは羽根の間に異なる挿入分があることが結合の特異性を決定している。

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