Letter 化学:ネマチック液晶における誘電体球と金属球の非線形電気泳動 2010年10月21日 Nature 467, 7318 doi: 10.1038/nature09427 電気泳動は、均一電場中にある流体に対する分散した荷電粒子の相対的運動である。この効果は、巨大分子の分離やコロイド構造体の形成、ナノおよびマイクロ流体デバイスやディスプレイ中での粒子輸送に広く用いられている。一般的には、流体は等方性(例えば水など)であり、電気泳動速度は電場に線形比例する。線形電気泳動では、直流(d.c.)電場のみが粒子を駆動できる。しかし、交流(a.c.)を使えば、電気分解が起こることや定常流がないといった問題を克服できるので、交流電場のほうが好ましい。今回我々は、液晶ネマチック流体中で電気泳動を行うと、その効果は強く非線形になり、速度成分は印加電圧に対して二次となり、その方向は線形速度の方向と一般的に異なることを示す。この新しい現象は、前後(または左右)対称性を破る粒子周囲の液晶配向の歪みによってもたらされる。この効果によって、粒子自体が完全に対称(球形)であっても、荷電粒子と中性粒子の両方の輸送が可能になる。したがって、ディスプレイ技術、コロイドの集合と分離、マイクロ流体やマイクロモーターへの応用に新しい取り組みが可能になる。 Full Text PDF 目次へ戻る