Letter 免疫:酸化ストレスは新規な内因性リガンドでTLR2を活性化することによって血管新生を誘導する 2010年10月21日 Nature 467, 7318 doi: 10.1038/nature09421 炎症、酸化ストレスおよび新生血管形成の相互関係は、組織の治癒やリモデリングからがんの進行に及ぶ多数の過程の基盤となる重要な機序と考えられ始めている。低酸素誘導性の血管新生の機序はよく理解されているのに対し、炎症誘発性酸化とde novo血管増殖との関係についてはまだ明らかにされていない。本論文では、脂質酸化の終末産物であるω-(2-カルボキシエチル)ピロール(CEP)などのピロール化合物が、炎症や創傷治癒過程で生じ、マウスの老化組織や、マウスおよびヒトのメラノーマの高度に血管形成がみられる腫瘍で多量に蓄積していることを示す。カルボキシアルキルピロールの分子パターンは内皮細胞でToll様受容体2(TLR2)には認識されるが、TLR4やスカベンジャー受容体には認識されず、血管内皮増殖因子に依存しない血管新生反応を誘導する。CEPは後肢虚血や創傷治癒モデルで、MyD88依存的なTLR2シグナル伝達を介して血管新生を促進した。内因性のカルボキシアルキルピロールを中和すると、創傷治癒や組織の血管再生は障害され、腫瘍の血管新生は抑制された。TLR2およびMyD88は共に、CEPによるRac1の活性化や内皮細胞の遊走に必要である。したがって、これらの結果より、酸化に関連する分子パターンのセンサーとしてのTLR2の新しい機能が明らかとなり、炎症、酸化ストレス、自然免疫、そして血管新生をつなぐ重要な関連性が示された。 Full Text PDF 目次へ戻る