Letter 構造生物学:多剤および毒性化合物排出輸送体の陽イオンが結合した構造 2010年10月21日 Nature 467, 7318 doi: 10.1038/nature09408 MATE(multidrug and toxic compound extrusion)ファミリーの輸送体タンパク質は植物の代謝輸送に極めて重要であり、世界中の作物生産量に直接的な影響を与える。MATE輸送体はまた、細菌や哺乳類で多剤耐性(MDR)を仲介し、種々の疾患の治療に使われる多数の医薬品の有効性に影響を与える。MATE輸送体は基質の輸送を電気化学的勾配に共役させており、構造がまだ決定されていない唯一のMDR輸送体である。今回我々は、コレラ菌(Vibrio cholera)由来のMATE輸送体NorMの分解能3.65 ÅでのX線構造を決定し、2つの入り口が細胞膜外層に開口している外側に向いたコンホメーションと、予想された12回膜貫通ヘリックスの独特な構造(ほかの既知のMDR輸送体とは異なっている)を明らかにする。また、陽イオン結合部位が、輸送に極めて重要であると従来考えられてきた残基の非常に近くに位置することも報告する。このコンホメーションはおそらく、輸送サイクル中で、一価の陽イオンに高親和性を示し、基質には低親和性を示す段階に当たると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る