Article 文化:東南アジア島嶼部および太平洋の政治的複雑性の興亡 2010年10月14日 Nature 467, 7317 doi: 10.1038/nature09461 人類の政治組織の進化が、複雑性の連続的で逐次的な拡大によって進行したのか、それとも非連続的で大幅な飛躍によって生じたのかに関しては、さまざまな意見がある。社会の複雑性がどのように縮小していくのかについても明確にされていない。こうした議論は、厳密で定量的な研究がほとんど行われないまま続けられてきた。我々は、系統発生学的方法を用いて、オーストロネシア語が使われている社会の政治組織の進化に関する、6つの相互排斥するモデルを評価した。その結果、最適合モデルでは、政治的複雑性の興亡が小幅なステップの連続で生ずることが明らかになった。最適合モデルにわずかな差で続く別のモデルでは、拡大が連続的である一方で、縮小は連続的である場合と急激な減衰による場合があり得た。これらの結果は、この地域の社会の進化史においては、政治的複雑性に大幅で非連続的な飛躍が生じなかったことを示している。このことは、人類の歴史には多数の偶発的な経路があるにもかかわらず、文化的進化には規則性があり、それはコンピューターを用いた系統発生学的方法で検出可能であることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る