Letter 細胞:炭疽菌毒素は協調してRab11/Sec15 エクソシストのエンドサイトーシスによるリサイクリングを抑制する 2010年10月14日 Nature 467, 7317 doi: 10.1038/nature09446 炭疽菌(Bacillus anthracis)は、ヒトおよび他の哺乳類における炭疽症の原因菌である。致死性の全身性炭疽症では、増殖中の炭疽菌は、致死因子(lethal factor;LF)および浮腫因子(oedema factor;EF)とよばれる大量の毒素を分泌し、広範囲にわたる血管漏出やショックを引き起こす。炭疽症の初期段階におけるLFの宿主側標的(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ)およびEFの宿主側標的(cAMP依存性の過程)は示唆されているものの、感染の最終段階での毒素の作用については解明が進んでいない。本論文では、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を用いて、エンドサイトーシスによるリサイクリングの最終段階で働くRab11/Sec15 エクソシストが、EFおよびLFの両方の新規な標的であることを明らかにする。EFは、頂端側に局在するRab11量を減少させて、その結合相手分子やエフェクターSec15(Sec15–GFP)による小胞形成を間接的に阻害するが、LFは、より直接的に作用してSec15–GFP小胞を減少させる。EFとLFのRab11/Sec15に対する集中的影響によって、NotchリガンドであるDeltaの発現とそのシグナル伝達が阻害され、また、接着帯でのDE-カドヘリン量が減少する。ヒトの内皮細胞では、この2つの毒素は保存されたやり方でSec15小胞の形成を阻害し、Notchシグナル伝達を抑制し、接着帯でのカドヘリン発現を低下させる。このような炭疽菌毒素によるRab11/Sec15エクソシストの協調的阻害が、炭疽菌感染過程での毒素依存性の障壁破壊と血管機能不全に寄与している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る