Letter 生態:近年の気候温暖化が全球的に動物の代謝に及ぼす影響 2010年10月7日 Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09407 生物の地理的分布域、季節的挙動(フェノロジー)、群集の相互作用、遺伝学的性質、および絶滅に関して近年報告されている変化は、地球温暖化に起因するとされている。生物に関するそのような変化の多くは北半球の中緯度から高緯度の地域で検出されたものだが、これらの地域では温暖化が最も急速であるため、このような緯度的パターンは予想されたものである。対照的に熱帯地域では、温暖化がさほど顕著でないため、変化もより小さいと予想されている。しかし、生物に対する温暖化の影響には生理的特性がかかわっており、外温動物では、生理活性および生態学的影響の基礎的な指標の1つである代謝速度が、温度上昇につれて一次的ではなく指数関数的に上昇する。そのため、熱帯の(基礎的な体温が高い)外温動物は、熱帯の気温変化そのものから考えられる程度を上回る代謝速度の絶対的変化を経験するはずだが、気候温暖化が代謝速度に与える影響は、これまで全球規模で定量化されたことがなかった。本論文では、熱帯の気温変化が相対的に小さかったにもかかわらず、熱帯の陸生動物の代謝速度について推定される変化は大きく、北方の温帯地域と同程度であり、それどころか北極地方の変化の程度をはるかに上回っていることを明らかにする。温度が代謝に対して非一次的な影響を及ぼすため、地球の生物多様性の大きな部分を構成する熱帯生物は、近年および今後の気候温暖化に極めて大きく影響されると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る