Letter ナノテクノロジー:流体中でのナノメートル物体の形状誘起静電捕捉 2010年10月7日 Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09404 単一原子であろうと巨視的物体であろうと、1個の物体を捕捉する能力は、量子光学、ソフト凝縮系物理学、生物物理学、臨床医学など、さまざまな分野にかかわってくる。溶液中でのブラウン運動のランダム化効果に対処するために、多くの精巧な方法が開発されてきたが、ナノメートルサイズの物体を安定に捕捉することは、依然として困難である。光ピンセットは、広く利用されているトラップだが、十分分極可能な物体でなければならないため、小型の高分子を操作できない。単一分子の閉じ込めは、蛍光標識の追跡により誘導される動電学的フィードバックによって実現されたが、光物理的制約によりトラップの剛性と寿命が制限される。今回我々は、形状を適切に調節した流体スリットには空間的に調整された静電ポテンシャルがあり、溶液中の帯電物体を最長数時間にわたって捕捉し浮揚させうることを示す。直径数十ナノメートルの金粒子、ポリマービーズ、脂質小胞を使って、この原理を例証した。これらの物体はすべて、外部からの介入なしに、また質量や誘電関数とは無関係に捕捉される。この静電トラップは、系の形状と溶液のイオン強度を調節することによって、剛性と安定性を容易に調整でき、ほかの操作機構との一体化も可能である。このトラップは、1個のタンパク質分子や高分子の非接触閉じ込め、ナノメートルサイズの物体の選別や分画、こうした物体の組み立てによる高密度アレイの作製に利用できるようになると予想される。 Full Text PDF 目次へ戻る