Article 生化学:精製されたヒトBRCA2はRAD51を介する組み換えを誘発する 2010年10月7日 Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09399 乳がん感受性遺伝子BRCA2の変異は、乳がんおよび卵巣がんを引き起こす。ヒトBRCA2作用機序については、この大きなタンパク質(アミノ酸残基数3,418)の単離が困難であるために手がかりが限られていた。本論文では、完全長BRCA2の精製を報告し、これがRAD51に結合すること、そしてRAD51の一本鎖DNA(ssDNA)への集合を促すことによりDNA修復を強化することを示す。BRCA2は、RAD51を二本鎖DNAよりもssDNAへ向かわせることで、RAD51がssDNAの複製タンパク質A(RPA)と置換することを可能にし、ATP加水分解を阻止してRAD51–ssDNAフィラメントを安定させる。BRCA2は、RPAと複合体を形成したssDNAのアニーリングは行わず、ssDNAのアニーリングに関与する修復過程で直接働くわけではないことが示唆される。我々の結果は、BRCA2が相同組み換えの主要なメディエーターの1つであることを示すもので、このDNA修復過程がBRCA2変異によりどのように障害され、それが染色体不安定化およびがんに結びつくかを理解するための、1つの分子的基盤を提供している。 Full Text PDF 目次へ戻る