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医学:Clostridium difficile感染におけるトキシンAとトキシンBの役割

Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09397

Clostridium difficile感染は、ヨーロッパと北米での医療関連下痢症の主な原因である。C. difficileは感染の間に、トキシンAとトキシンBという2種類の重要な毒性決定因子を産生する。精製毒素を用いた実験で、トキシンAは単独でC. difficile感染の症状を引き起こせるが、トキシンBはトキシンAと混合するか、もしくは腸の粘膜にあらかじめ損傷がある場合でなければ症状を引き起こせないことが示されている。しかし最近の研究で、トキシンBがC. difficileの毒性に不可欠であり、またトキシンAのみを産生する株が無発病性であることが示された。これにより、トキシンAとトキシンBそれぞれの重要性について、矛盾する状況が生じている。今回我々は、トキシンA、もしくはトキシンBのみを産生するC. difficileの同質遺伝子系変異株が、ハムスター感染モデルで劇症疾患を引き起こしうることを示す。遺伝子ノックアウト系を使って毒素遺伝子を恒久的に不活性化させることで、一方もしくは両方の毒素を産生するC. difficileが、in vitroで細胞傷害性を示し、これがin vivoでの毒性を直接引き起こすことがわかった。さらに、両方の毒素遺伝子を不活性化させたC. difficileの二重変異株を初めて構築することで、病原性を完全になくすことができた。我々の知見は、トキシンAとトキシンB両方の重要性を再確認し、またC. difficileに対する診断テストや有効な対策の開発では、引き続き両方の毒素について考慮する必要があることをはっきり示している。

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