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工学:シリコンにおける電子スピンの単事象読み出し

Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09392

マイクロエレクトロニクス・デバイスに使用されるシリコントランジスタの大きさは、量子効果が重要になるレベルまで縮小している。これは、今後のマイクロプロセッサーのさらなるスケーリングに対する非常な難問であるが、スピンを用いる量子コンピューターやスピントロニクスデバイスの形で革新が行われる可能性もある。シリコンの電子スピンはスピン–軌道結合が弱く、バルク結晶から核スピンを除外できる可能性があるため、コヒーレント時間の長いよく分離された量子ビットとなりうる。しかし、シリコン中の単一電子の制御は困難であることがわかっており、これまで単一スピンの観測や操作は不可能であった。今回我々は、シリコンの電子スピンの単事象時間分解読み出しの実証について報告する。この実証は、注入されたリンのドナーと金属酸化物半導体単電子トランジスタからなるデバイスで行われた。この方法は、現在のマイクロエレクトロニクス技術と互換性がある。1.5テスラの磁場で約6秒というスピン寿命が観測され、90パーセントを超えるスピン読み出し忠実度が達成された。シリコンでの高忠実度単事象スピン読み出しは、半導体産業の最重要材料を用いた新世代の量子計算デバイスやスピントロニクスデバイスを開発する道を開くものである。

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