Letter 細胞:Cdk1によるCPCのリン酸化によって染色体の二方向性が促進される 2010年10月7日 Nature 467, 7316 doi: 10.1038/nature09390 細胞分裂時に複製されたゲノムがうまく分配されるには、反対の位置にある紡錘体極に染色体が接着する必要がある(二方向性)。この調節に少しでも異常があると染色体不安定性が引き起こされ、ヒトでは腫瘍の進行が加速する可能性がある。分裂前中期に染色体の二方向性を達成するために、触媒キナーゼであるオーロラBと調節性要素(INCENP、サバイビンおよびボレアリン)で構成される、CPC(chromosomal passenger complex)は、セントロメアに局在して、動原体基質をリン酸化しなければならない。CPCは動的に細胞内局在を変えるが、セントロメアへの標的化の調節についてはほとんど解明されていない。今回我々は、染色体二方向性に特異的に異常がみられる、分裂酵母のサイクリンB変異株を同定した。そのことから、サバイビンがCdk1(別名、Cdc2)–サイクリンB依存的にリン酸化を受けることを明らかにした。サバイビンのリン酸化を防止すると、セントロメアへのCPC標的化にも染色体の二方向性にも異常がみられ、一方、サバイビンのリン酸化模倣体は、サイクリンB変異株の二方向性異常を抑制する。今回我々は、シュゴシンがCPCの保存されたセントロメア・アダプターであり、サバイビンのリン酸化がシュゴシンとの直接の結合を促進することを示す。ヒト細胞では、ボレアリンのリン酸化がこれと同等の役割を担っている。したがって、我々の研究から、セントロメアへのCPC標的化の保存された機構が明らかにされ、染色体の二方向性におけるCdk1–サイクリンBの主要な役割が強調される。 Full Text PDF 目次へ戻る