Letter 医学:BRAF変異を有する黒色腫でのRAF阻害剤の臨床的有効性には広範な標的の遮断が必要である 2010年9月30日 Nature 467, 7315 doi: 10.1038/nature09454 B-RAFは、ヒトがんで最も高い頻度で変異がみられるプロテインキナーゼである。BRAFの発がん性変異が黒色腫に一般的にみられることが発見され、それに続いて、これらの腫瘍がRAF/MEK/ERK経路に依存的であることが示されたため、B-RAFキナーゼ活性の阻害が黒色腫患者に恩恵をもたらす可能性が出てきた。本論文では、発がん性B-RAFキナーゼ活性の強力な阻害剤であるPLX4032(RG7204)の構造に基づいた創薬について述べる。前臨床実験から、PLX4032は、BRAF変異細胞で選択的にRAF/MEK/ERK経路を遮断すること、また、BRAF変異異種移植片の退縮を引き起こすことが示された。毒性試験によって、高度の選択性と一致した広い安全域が確認されたことから、PLX4032の結晶製剤を用いた第I相臨床試験が可能になった。黒色腫患者のある集団で、治療開始前と治療開始後2週間に採取された対となる生検標本で、経路の阻害を追跡した。この解析から、ERKのリン酸化がかなり阻害されることが明らかになったが、臨床評価では腫瘍の退縮は示されなかった。新しい非晶質製剤でより高用量の薬剤の投与が可能になり、患者の腫瘍でERKリン酸化が80 %以上阻害され、臨床反応と相関していた。実際、第I相臨床試験のデータによれば、960 mgを1日2回経口摂取した転移性黒色腫患者では81 %という非常に高い反応率が示された。これらのデータから、BRAF変異を有する黒色腫はB-RAFキナーゼ活性に高度に依存していることが示される。 Full Text PDF 目次へ戻る