Article 環境:人類の水資源確保および河川の生物多様性に対する地球規模の脅威 2010年9月30日 Nature 467, 7315 doi: 10.1038/nature09440 世界の淡水資源の保護には、地球規模から地域規模まで、さまざまな規模にわたる脅威を究明することが必要である。本論文では、多種類のストレス要因を定量してそれが経路下流に引き起こす影響を明らかにする空間的枠組みを用いて、水資源確保に対する人類と生物多様性の相対的関係を統合的に考察する、初めての世界規模の総合的分析結果を示す。我々は、世界人口の約80 %が水資源確保に対する高レベルの脅威にさらされていることを見いだした。豊かな国々は、水技術へ巨額の投資をすることで、根本的な原因を解消せずに高レベルのストレス要因を相殺できるが、豊かでない国々は、ストレス要因に対して脆弱なままに置かれている。同様に、予防的な投資も行われていないため、生物多様性も脅威にさらされており、大陸の水の流量の65 %と関連する生息環境では、脅威が中レベルから高レベルに分類されている。この累積的脅威の枠組みは、水資源確保の危機に対する政治的および管理的な対応に優先順位を付ける手段を提供するものであり、人類と淡水生物多様性の双方に対して地球規模での水資源確保を確実なものにするには、コストが高くつく対症療法をとるのではなく、脅威を根源で抑制する必要性を強く示している。 Full Text PDF 目次へ戻る