Letter 地球:余震密度の距離減衰は動的応力による誘発を示すものではない 2010年9月30日 Nature 467, 7315 doi: 10.1038/nature09402 静的応力と動的応力のどちらが余震や続発地震の多くの引き金となるのか。これを解明することは、地震の相互作用を理解し、地震災害を予測するうえで重要である。FelzerとBrodskyは、2 ≤ M < 3と3 ≤ M < 4の本震発生後最初の5分間に起きた地震の距離分布を調べて、M ≥ 2の余震密度が本震から50 kmの距離まで、傾きが−1.35の一様なべき乗則を示して減衰することを見いだした。このことから彼らは、余震密度の距離減衰は動的な応力誘発作用によってのみ説明できるとしている。本論文では、FelzerとBrodskyの仮説は、我々が行った一連の検定を1つも満足しないことを報告し、余震密度の距離減衰に対する別の説明を提示する。2 ≤ M < 3の本震から300 m離れると、本震前5分間の地震活動の距離減衰は、本震後5分間の減衰と区別することはできない。つまり、静的な応力作用の範囲外にある距離では本震の影響がみられない。余震の基本的な性質である大森公式(余震活動の時間減衰)は、本震から10 km以上離れた距離では確認できない。さらに、距離減衰のべき乗則は本震からの地震波が到達する前の余震密度にも現れ、因果律を破っている。FelzerとBrodskyの仮説は、1つの大地震の断層破壊面で起きた2つの独立した余震と、クリープあるいはマグマ貫入による群発地震中に起きた2つの地震という2つのケースで、いずれも最初の地震が2番目の引き金となったとしているが、これらは必ずしもそうではないと、我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る