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進化:ショウジョウバエを用いた長期の進化実験の全ゲノム解析

Nature 467, 7315 doi: 10.1038/nature09352

実験的進化の系は適応に関するゲノム研究を可能にするものであり、これまでは主に細菌や酵母などゲノムが小さく無性生殖を行う生物種の系で行われてきた。本研究では、実験室で600世代以上にわたって速い発生に対する選択を経たキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)個体群からの全ゲノム塩基配列再解読の結果を報告する。これらの選択された個体群のハエは、祖先に当たる対照個体群のハエよりも20 %短い時間で卵から成虫へ発生し、ほかにも関連した表現型を複数進化させた。中頻度で高品質の688,520個の一塩基多型に基づいて、発生の速まった5つの複製個体群のプール試料と対照個体群のプール試料との間で対立遺伝子頻度の強い分化がみられる、数十か所のゲノム領域を同定した。発生速度の速まった単一の複製個体群からの塩基配列再解読データと、それぞれの複製個体群に由来する個々のハエ個体からの一塩基多型とに基づき、選択処理を1回行った複製個体群の間では対立遺伝子頻度の分化はあまり起きないと推測される。選択の特徴は、無性生殖の生物種でみられたものとは質的に異なっている。我々の用いた有性生殖個体群では、適応は、新たに生じた無条件に有利な突然変異が固定される「古典的」なスウィープとは関連していない。より仮定が少なくてすむ説明としては、突然変異が固定されるのに十分な時間がなかったとする「不完全な」スウィープモデルや、選択は既存の広くみられる遺伝的多型に対して作用したとする「ソフトな」スウィープモデルなどがある。発生時間のような生活史の特徴に関しては少なくとも、無条件に有利な対立遺伝子は、めったに現れないか、正味の適応度の小さな増加と関連するか、あるいは時間とともに選択係数が変化するので固定できないのだと、我々は結論する。

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