Letter 気候:1970年ごろの北半球海面水温の急激な低下 2010年9月23日 Nature 467, 7314 doi: 10.1038/nature09394 全球平均表面温度の20世紀における変化は単調ではなかった。温度は20世紀の初めから1940年代まで上昇し、中ごろにはいくぶん低下し、1970年代半ば以降は急速に上昇した。20世紀の温度にみられる、この温暖化–寒冷化–温暖化という変化は、温室効果ガスの増加が原因の長期の温暖化と、対流圏硫酸エアロゾルの20世紀中ごろの増加による寒冷化の重ね合わせ、もしくは、数十年かけて進展する世界の海洋気候の変化(数十年周期の変動)として解釈されることが多い。対流圏の硫酸エアロゾル負荷は、特に第二次世界大戦後の数十年間の南北両半球間の温度変化傾向の違いに関与していたと考えられている。本論文では、20世紀中ごろの半球間の温度の変化傾向の違いは、1968年ごろから1972年にかけて北半球の海面水温が約0.3 °C急激に低下したことに主に起因することを示す。この温度低下の時間スケールは、対流圏のエアロゾル負荷や、以前に示された数十年周期の変動の特徴に伴う時間スケールよりも短い。温度低下は利用可能な過去の海面水温データすべてに明らかに現れており、付随するメタデータの変化に原因を求めることはできないし、表面温度測定におけるいかなる既知の偏りとも関連付けられない。温度低下は、北半球の海洋の特定の海域に集中しているわけではないが、その振幅は北大西洋で最大となる。 Full Text PDF 目次へ戻る