Letter 進化:スペインの白亜紀前期層から発掘された、背にこぶのある奇妙なカルカロドントサウルス(獣脚類) 2010年9月9日 Nature 467, 7312 doi: 10.1038/nature09181 カルカロドントサウルス類は最大の捕食性恐竜であり、その初期の進化史は以前に考えられていた以上に複雑らしい。最近まで、カルカロドントサウルス類は白亜紀後期のゴンドワナ大陸に生息していた大型獣脚類群に限定されていたが、ここ数年、ローラシア大陸で見つかった証拠によってその初期の多様化が再評価されるようになった。本論文では、スペインのクエンカにあるラスオヤスの下部白亜紀統(バレーム階)の化石産地から発見された、保存状態の極めて良好な中型獣脚類(全長約6メートル)のほぼ完全な骨格について報告する。分岐分析から、この新たな分類群Concavenator corcovatusはカルカロドントサウルス類の原始的な仲間だとする考え方が裏付けられる。この分類群には、2つの奇妙な特徴がみられる。その1つは、2個の仙前椎の神経棘(neurapophysis)が伸長して形成した尖ったこぶのような構造であり、もう1つは、尺骨上にある一連の小さな隆起である。こうした小さな隆起は、現生鳥類の一部にみられる羽柄の付着する飛羽瘤(quill knob)と相同のものと考えられる。この飛羽瘤は、飛羽(風切羽)の根元を前肢に固定させる毛包靭帯構造(follicular ligament)の挿入領域と結びついている。我々は、Concavenatorが現生鳥類のように、尺骨に挿入された外皮的な毛包構造を有していたと考える。鱗には毛包がないため、Concavenatorの前肢に固定されたこれらの構造物は、鱗ではなく現生鳥類の羽毛と相同の皮膚付属構造だと考えられる。もしこれが正しいなら、獣脚類恐竜での、鱗ではなく羽毛と相同な皮膚構造物の存在の系統区分は新テタヌラ類まで拡張され、獣脚類の羽毛の起源を説明できる見通しが広がることになる。 Full Text PDF 目次へ戻る