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細胞:マウスの始原生殖細胞でのゲノム全域にわたるDNAメチル化消去はAID欠失に影響される

Nature 463, 7284 doi: 10.1038/nature08829

哺乳類の始原生殖細胞(PGC)や初期胚では、DNAの脱メチル化などのエピジェネティックな再プログラム化が起こり、ゲノムインプリンティングやエピジェネティック変異の消去と多能性の回復に重要な働きをしている。この再プログラム化の程度やその分子機構は、ほとんど解明されていない。我々はこれまでに、シチジンデアミナーゼであるAIDとAPOBEC1が、in vitroと大腸菌内で5-メチルシトシンを脱アミノ化できることと、マウスでは脱メチル化の起こる組織で発現していることを明らかにした。今回我々は、野生型マウスとAID欠損マウスの13.5日齢の胚のPGCにおいて、次世代の無作為バイサルファイト・シーケンシングを行い、ゲノム全域のDNAメチル化プロファイルを調べた。野生型PGCでは、ゲノム全域にわたってメチル化が消去され、メチル化欠失(Np95−/−またはUhrf1−/−ともよばれる)胚性幹細胞のレベル以下にまで達しており、また、雄PGCよりも雌PGCのほうがメチル化が少なくなっていることが明らかになった。これに対して、AID欠失PGCでは、野生型に比べ最高3倍のメチル化がみられた。この著しい違いはゲノム全域にわたってみられたが、エキソンに比較して、イントロン、遺伝子間領域、トランスポゾンのほうがよりメチル化されていた。AID欠失PGCが相対的に高メチル化状態にあることは、ゲノムの個々の遺伝子座の解析によっても確認された。これらの結果から、生殖系列におけるDNAメチル化の消去が広範囲にわたる現象であり、これが世代を超えたエピジェネティック遺伝の可能性を制限していることが明らかになった。AID欠失がゲノム全域でのDNAメチル化パターンの消去を妨げることから、AIDが、哺乳類のエピジェネティックな再プログラム化と、おそらくはエピジェネティック変異の遺伝の制限に重要な役割を果たしていることが示唆される。

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