Article 発生:繊維芽細胞から機能的なニューロンへの特定の因子による直接転換 2010年2月25日 Nature 463, 7284 doi: 10.1038/nature08797 発生における細胞分化と細胞系譜の拘束は、ロバストで不可逆的な過程であると考えられている。近年の研究で、マウスとヒトの繊維芽細胞は、4つの転写因子の組み合わせにより、多能性状態へと再プログラムできることが示されている。このことから、転写因子は、未分化状態だけでなく、それ以外の限定された体細胞運命への直接誘導ができるのかどうかという疑問が生じる。我々は、神経系細胞系列に特異的な転写因子をいろいろ組み合わせて発現させることで、繊維芽細胞から神経細胞へ直接転換ができるのではないかと考えた。そして、19の候補遺伝子のプールから出発し、Ascl1、Brn2(別名Pou3f2)、Myt1lというわずか3つの因子で、マウスの胚および出生後の繊維芽細胞を、機能をもつ神経細胞へとin vitroで迅速かつ効率的に転換させるのに十分であることを突き止めた。これらの誘導神経細胞(iN)細胞は、複数の神経細胞特異的タンパク質を発現し、活動電位を生じ、機能を備えたシナプスを形成する。非神経系細胞系列からのiN細胞の作製は、神経発生の研究、神経疾患モデルや再生医学に重要な意味をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る