Letter 材料:ランタニドドーピングによるアップコンバージョンナノ結晶の相とサイズの同時制御 2010年2月25日 Nature 463, 7284 doi: 10.1038/nature08777 ドーピングは、材料科学において広く適用される技術過程であり、適切な元素の原子やイオンをホスト格子に導入することで、望みの特性や機能をもつハイブリッド材料が得られる。ナノ結晶材料では、ドーピングは、特定の結晶相を安定化し、電子的特性を変化させ、磁性や発光特性を調節するうえで、基本的に重要である。今回我々は、ドーピングが成長過程に影響を及ぼすことにより、得られるナノ結晶の結晶相、サイズ、発光特性を同時に制御できる物質系について報告する。厳密に決められた濃度での3価ランタニドドーパントイオンの導入により、NaYF4ナノ結晶のサイズ(10ナノメートルまで)、相(立方晶か六方晶)、アップコンバージョン発光色(緑から青)を合理的に調節できることがわかった。第一原理計算を用いて、ランタニドドーピングが結晶相とサイズに及ぼす影響が、置換型ドーパントイオンのサイズと双極子分極率への強い依存性に起因することを確認した。我々の結果は、NaYF4アップコンバージョンナノ結晶において実証されたドーピング誘起構造転移とサイズ遷移が、発光性生体標識から体積走査型三次元ディスプレイまでのさまざまな用途に向けて、他のランタニドドープナノ結晶系に拡張できる可能性があることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る