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気候:南アジアモンスーンの主な支配要因は高原の加熱ではなく、地形による断熱である

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08707

チベット高原は、ほかのどの大陸とも同じく、乾熱と水蒸気の形で大気中へエネルギーを放出するが、その平均高度は海抜5 km以上に達している。この高さによって、チベット高原は南アジアの夏のモンスーンを駆動する熱源となり、地質学的な時間スケールで、チベット高原の隆起と気候変動が結びつけられているのだろうと広く考えられている。しかし、現在の気候の観測結果からは、チベット高原がこの地域に支配的な熱的強制を与えることは、明確に立証されていない。つまり、北半球の夏季における上部対流圏の温度の極大は、チベット高原の南側のインド亜大陸上に位置している。本論文では、大気モデルでは、チベット高原の加熱はその南端に沿って局地的に降水を増やすが、南アジアの夏の大規模なモンスーン循環は、ヒマラヤ山脈や周辺の山地の狭い地形が残っているかぎり、高原を取り除いても影響を受けないことを示す。付加的な観測とモデルの結果から、これらの山地は、インド大陸上の暖かく湿った空気を冷たく乾いた温帯から隔離することによって、強いモンスーンをもたらすことが示唆される。これらの結果から、南アジアの気候がどのように地形の隆起に応答してきたかを再解釈し、この先の数十年間に、この気候が地表や放射強制力の変化に対してどのように応答するのかを再評価する必要が生じる。

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