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植物:シロイヌナズナの気孔密度を上昇させるストマジェン

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08682

葉の表皮組織に存在する気孔は、CO2などのガスが通過する通気口であり、そのために地球規模の炭素循環を左右する。植物は、環境に適したガス交換を行うため、葉の表皮の気孔の二次元パターンと密度を遺伝的に制御している。シロイヌナズナ(Arabidopsis)では、EPF1およびEPF2という2つの細胞間シグナル伝達因子が、おそらく受容体様タンパク質TMMと相互作用することにより、気孔の形成の負の調節因子として機能すると考えられている。気孔の形成には、正の細胞間シグナル伝達因子が関与していると考えられてきたが、その実体は明らかにされていない。本論文では、ストマジェン(stomagen)と命名した新しい分泌性ペプチドが正の細胞間シグナル伝達因子であることを示す。ストマジェンは、維管束植物の間で高度に保存されている。ストマジェンは、45個のアミノ酸からなるシステインを多く含むペプチドで、102個のアミノ酸からなる前駆タンパク質(STOMAGENと命名)から生成する。組み換えおよび合成ストマジェンペプチドを使ったin plantaおよびsemi-in-vitro実験の両方から、ストマジェンが投与量依存的に気孔を誘導させることが明らかにされた。遺伝学的解析からは、TMMSTOMAGEN(At4g12970)の上位にあることが示され、正負の調節因子が同一の受容体と競合的に結合することによって気孔の形成が精密に調節されていることが示唆された。注目すべきは、STOMAGENが、未成熟葉の気孔が形成される表皮ではなく、内部の葉肉組織で発現していることである。これにより、葉肉に由来する、気孔密度の正の調節因子の存在が明らかにされた。今回の知見は、気孔形成の理解に新たな視点をもたらした。葉内の光合成組織は、その機能を最適化するために、CO2を効率よく取り込むように表皮の気孔密度を調節しているのである。

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