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細胞:KAP1は胚性幹細胞で内在性レトロウイルスを制御する

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08674

哺乳類ゲノムの40パーセント以上はレトロエレメント由来であり、その約4分の1が内在性レトロウイルス(ERV)である。特にマウスでは、高度な多型性を示すETn(early transposon)/MusDやIAP(intracisternal A-type particle)など、いまだに機能しているものもある。ERVは胚形成の初期にヒストンやDNAメチル化によって転写抑制されるが、ゲノムの完全性を保護するために不可欠なこの過程の開始因子はほとんど知られていない。KAP1(KRAB-associated protein 1;別名TRIM28[tripartite motif-containing protein 28])は、ヒストンメチルトランスフェラーゼであるSETDB1、HP1(heterochromatin protein 1)、およびNuRDヒストン脱アセチル化酵素複合体の動員により遺伝子を抑制するが、その生理的な標的はわずかしか知られていない。2系統の証拠から、KAP1を介する抑制はERVの制御に寄与する可能性が示唆されている。その1つ目は、KAP1は、胚形成の初期に永久的な遺伝子サイレンシングの引き金となりうることである。そして2つ目は、KAP1複合体は、胚細胞でレトロウイルスであるマウス白血病ウイルスのサイレンシングを起こすことである。本論文では、この仮説と合致して、マウス胚性幹(ES)細胞や初期胚では、KAP1の欠失により、さまざまなERV(特にIAPエレメント)の大幅な発現上昇が引き起こされることを示す。我々はさらに、KAP1がDNAメチル化と相乗的に作用してIAPエレメントのサイレンシングを起こすこと、また、KAP1はIAPゲノムの5′非翻訳領域(5′UTR)に豊富に存在することを示す。そこでは、KAP1の欠失によって、KAP1を介する抑制の特徴であるヒストン3の9番目のリシンのトリメチル化(H3K9me3)の喪失が引き起こされる。同様にIAP 5′UTRの配列は、ES細胞で異種プロモーターに、シスにKAP1依存的な抑制を行うことができる。今回の結果は、KAP1が、胚発生の初期に内在性レトロエレメントを制御することを明らかにしている。

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