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進化:アメリカオオバンは種内托卵に由来するヒナの識別と排除の学習に孵化順序を用いる

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08655

托卵鳥とその宿主(仮親)は、認知と学習の関係、およびその適応的帰結を研究するためのモデル系となる。托卵については、進化上の1つの大きな疑問が何百年も前から生物研究者の関心を集めてきた。それは、仮親のヒナと托卵鳥のヒナの外見がこっけいなほど異なる場合であっても、なぜ仮親は一般に、孵化した托卵鳥のヒナを識別できないのかという問題である。このパターンを説明する1つの有名な理論では、托卵鳥のヒナの識別にあたって誤った(我が子を捨てるような)学習をした際には被るコストが大きいため、ヒナ識別は適応的でないとしている。今回我々は、アメリカオオバン(Fulica americana)が、托卵者と仮親が同じ種(種内托卵)であるにもかかわらず、学習した手がかりを用いて自身のヒナの中に混じった托卵者のヒナを識別し排除できることを示す。一連のヒナ入れ替え実験により、オオバンは、1回の同腹仔で最初に孵化したヒナを参照対象として自身のヒナの識別を学習し、その同腹仔内に混じって後で孵化した托卵者のヒナを差別することが確かめられた。参照用として正しくない(自分の仔でない)ヒナを実験的に入れることで、オオバンが自身のヒナを差別するように仕向けられたので、理論が提案する「誤った学習」が存在する可能性が確認された。しかしながら自然界では、托卵されるオオバンの巣内の仮親の卵は托卵者のそれよりもほぼ必ず早く孵化するので、孵化の順序に基づく学習は信頼できる方法である。逆にいえば、信頼できる情報が存在しないということが、ヒナ識別の進化が異種間托卵の大部分の仮親種で一般的でない理由を説明する助けになるかもしれない。

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