Letter 細胞:Dbf4-Cdc7キナーゼはMcm4の抑制活性を低下させることでS期を進行させる 2010年1月7日 Nature 463, 7277 doi: 10.1038/nature08647 真核生物のDNA複製は、キナーゼ調節経路を介して細胞分裂周期におけるほかの現象との調整を促し、環境要因に応答する。少なくとも2つの細胞周期調節プロテインキナーゼ系、S期特異的サイクリン依存性プロテインキナーゼ群(S-CDK)とDbf4–Cdc7キナーゼ(Dbf4依存性プロテインキナーゼ、DDK)が、DNA複製の開始に必須の活性化因子である。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のDNA複製におけるCDK活性化の必須機構はよく理解されているが、DDKが厳密にどのように作用するのかはわかっていない。本研究では、Mcm4のアミノ末端にあるセリン/トレオニンリッチ領域(NSD)が、DNA複製調節に抑制と促進の両方の役割をもっており、DDKの唯一の必須機能は、NSDがもつ抑制活性の緩和であることを示す。その抑制活性を欠失したmcm4変異株に、DNA複製開始にCDKを必要としない変異を組み合わせると、CDK群とDDKが少ないG1期に、DNA合成が起こることを示す。ただし、それでもDDKは効率的なS期の進行に必要とされる。DDK非存在下では、CDKによるMcm4のNSD末端部のリン酸化が必須になる。また、ヒドロキシ尿素によりDNA損傷を誘導すると、DDKヌル細胞はS期内チェックポイントを活性化できず、この条件下では生存できない。以上の結果より、Mcm4の真核生物特異的なNSDは、複数のプロテインキナーゼ調節シグナルを統合してS期を進行させるように進化してきたことが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る