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医学:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫における慢性活動性B細胞受容体シグナル伝達

Nature 463, 7277 doi: 10.1038/nature08638

リンパ腫形成におけるB細胞受容体(BCR)シグナル伝達の役割は、ヒトリンパ腫の免疫グロブリン遺伝子の研究およびマウスモデルの構築によって推測されてはいるが、ヒトのリンパ腫で発がんに果たす役割についての遺伝学的および機能的な証拠が必要である。今回我々は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプで、細胞の生存に必要な「慢性活動性」BCRシグナル伝達の形態について報告する。シグナル伝達アダプター分子CARD11は、構成的なNF-κB経路の活性とABC DLBCLの生存に必要である。ABC DLBCLのおよそ10%がNF-κBを活性化する変異型CARD11アイソフォームを有しているが、ほかのABC DLBCLで野生型CARD11がかかわるメカニズムは知られていない。RNA干渉法を使った遺伝子スクリーニングにより、BCRシグナル伝達の構成因子であるブルトン型チロシンキナーゼが、野生型CARD11をもつABC DLBCLの生存に不可欠であることが明らかになった。さらに、近位BCRサブユニット群(IgM、Ig-κ、CD79A、およびCD79B)のノックダウンによって、野生型CARD11をもつABC DLBCLは死滅したが、ほかのリンパ腫は死滅しなかった。このABC DLBCLのBCRは、抗原刺激した正常なB細胞と同様に、細胞膜に拡散性の低い顕著なクラスターを形成していた。CD79BとCD79AのITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation motif)シグナル伝達配列に影響を与える体細胞変異は、ABC DLBCLの生検サンプルで頻繁に検出されたが、ほかのDLBCLではまれであり、またバーキットリンパ腫や粘膜関連リンパ組織リンパ腫では全く検出されなかった。ABC DLBCLの18%では、CD79Bの機能的に非常に重要な残基であるITAMの1番目のチロシンが変異していた。これらの変異は、細胞表面のBCRの発現を増加させ、また、BCRシグナル伝達のフィードバック阻害因子であるLynキナーゼを減弱させた。これらの知見は、慢性活動性BCRシグナル伝達がABC DLBCLの新規の発病メカニズムであることを確証し、いくつかの治療戦略を示唆するものである。

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