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臨床心理:記憶の再固定の更新機構を使ったヒトの恐怖再生の抑止

Nature 463, 7277 doi: 10.1038/nature08637

恐怖記憶の変更をめざす最近の研究では、記憶の再固定を標的にすることが検討されている。再固定の際、保存されていた情報は想起されることで不安定になる。この段階で薬理学的な操作を加えると、以後その記憶を想起できなくなることから、記憶は消去されたか、または永続的に想起抑止状態になったと考えられる。しかし残念ながら、こうした薬理学的操作をヒトに施すことには問題がある。今回我々は、ヒトの恐怖記憶の再固定過程を標的とした、非侵襲的な技術を開発した。これにより、古い恐怖記憶を、再固定の時間枠内に恐怖を伴わない情報に更新できることの証拠を示す。その結果、恐怖応答は以後発現しなくなり、この効果は少なくとも1年は持続した。また、ほかの記憶に影響することなく、そのとき想起した記憶のみに選択的に働いた。この知見は、情動記憶を書き換える機会の1つとして、再固定過程が適応的な役割をもつことを実証しており、ヒトに対しても安全に使える非侵襲的な恐怖再生抑止法を示している。

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