Letter 宇宙:銀河系中心部付近の磁場に対する50マイクロガウスの下限 2010年1月7日 Nature 463, 7277 doi: 10.1038/nature08635 銀河系中心付近の磁場の振幅については、ここ数十年間、2桁に及ぶ不確実性がみられている。およそ100パーセク(pc)のスケールで、ほぼ1,000マイクロガウス(µG)の磁場が報告されており、これは、磁場のエネルギー密度が銀河系に対する典型的な値より10,000倍以上高いことを示唆している。一方、銀河系中心部の星間物質(乱流状態の分子ガス、論争となった「非常に高温のプラズマ」、および磁場など)のさまざまな相の間の圧力平衡を仮定すると、およそ400 pcのスケールにわたり約100 µGの磁場が示唆される。また、等分配という仮定のもとでは、わずか約6 µGの磁場が400 pcスケールの電波観測から推論されている。本論文では、これまでのデータをまとめて、この領域の非熱的な電波スペクトルに、in situでの宇宙線電子集団の制動放射冷却からシンクロトロン冷却への遷移に起因すると考えられる落差(break)があることを示す。シンクロトロン放射する電子が過剰な量のγ線放射を生じないようにし、ほかの既存の制約を考えると、スペクトルの落差が生じるには、銀河中心部の磁場として400 pcのスケールで少なくとも50 µGの強さを必要とすることを示す。別の考察は、100 µGの磁場を支持しており、これは銀河系の磁気エネルギーの10%以上が、その体積のわずか<∼0.05%に封じ込められていることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る