Article 地球:最終間氷期の海水準に対する確率論的評価 2009年12月17日 Nature 462, 7275 doi: 10.1038/nature08686 極域の気温が現在よりも約3〜5 °C高かった最終間氷期(約125 kyr前)は、1〜2 °C地球が温暖化するシナリオに一部類似した環境といえる。いくつかの地点から得られた地質学的記録は、最終間氷期には局所的な海水準が現在よりも高かったことを示しているが、局所的な海水準は全球的な海水準とは異なる。そのため、過去の全球海水準を正確に再現するには、全球に分布したデータセットを統合して分析する必要がある。本論文では、局所的な海水準指標を広範囲にわたって集め、全球海水準、局所的海水準、氷床体積、およびこれらに伴う不確定性を統計的手法で推定した結果を提示する。最終間氷期における全球海水準は、確率95%でピーク時に現在より少なくとも6.6 m高かったことが示され、8.0 mを超えていたかもしれないが(確率67%)、9.4 mを超えていた可能性は低い(確率33%)ことがわかった。全球海水準が現在の値(≥ −10 m)に近かった時期は、全球海水準の千年間の平均上昇速度は5.6 m kyr−1を超えていた可能性が高いが、9.2 m kyr−1を超えていたことはなさそうである。この分析は、海水準変動の物理的過程を説明する確率論的枠組みにおさまる観測文献の統合により、最終間氷期海水準のこれまでの研究を拡張するものである。この結果は、比較的低レベルの持続的な地球温暖化でも、氷床が長期的に脆弱化することを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る