Letter

細胞:前駆細胞で活性化因子として働くE2f1–3は、分化中の細胞では抑制因子に転換する

Nature 462, 7275 doi: 10.1038/nature08677

確立された哺乳類の細胞周期制御モデルでは、網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)は、E2f活性化因子(E2f1、E2f2、およびE2f3)と結合し、これらを隔離することにより細胞がS期に移行するのを妨げる働きをしており、E2f活性化因子は細胞をS期に移行させ、S期を進行させる転写プログラムの最も重要なエフェクターと通常考えられている。本論文では、一連の組織特異的creトランスジェニックマウスおよび条件的E2f対立遺伝子を用いて、マウスの胚性幹細胞、胚、小腸におけるE2f1、E2f2、およびE2f3の三重欠損の影響を調べる。E2f1–3は分裂中の正常な前駆細胞では転写活性化因子として機能するが、現行の考え方に反して、E2f1–3は細胞分裂には必ずしも必要でなく、むしろ細胞の生存に必要であることを示す。E2f1–3は分化中の細胞ではRbと複合体を形成して抑制因子として機能し、E2fの標的を抑制して細胞周期からの脱出を促す。分化中の細胞でRbを不活性化すると、E2f1–3は抑制因子から活性化因子へ転換し、これによりE2fに反応する標的の過活性化と、異所性の細胞分裂が起こる。E2f1–3の欠損は、Rb欠損に起因するこれら表現型を完全に抑制する。本研究では、in vivoでのE2f1–3の活性化因子および抑制因子としての機能を説明し、分裂中の細胞と分化中の細胞、そしてin vivoでの正常な細胞周期とがん様細胞周期における異なる役割を明らかにする。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度