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システム生物学:酵母増殖の全体像はグルコースの感知と取り込みによって形作られる

Nature 462, 7275 doi: 10.1038/nature08653

システム生物学の重要な課題の1つは、微生物の増殖という複雑な現象を、その本質をとらえる測定可能な少数のパラメーターを用いて定量的に表現することである。出芽酵母のグルコース依存的な増殖を開始させるのは、細胞膜での重要な2つの事象である細胞外グルコースの感知および取り込みである。しかし、従来の増殖モデルでは、ほとんどグルコースの取り込みだけに注目している。本論文では、グルコース取り込みだけに注目したのでは説明できない増殖速度実験の結果を示す。感知した細胞外グルコース量に依存しないように、グルコース取り込み速度を強制することで、感知グルコース濃度と取り込み速度がともに上昇しても細胞の増殖速度が低下することがあり、速度がゼロに近づく場合さえあるとわかった。グルコースの感知と取り込みのそれぞれ単独の作用ではなく、両者の相互作用が増殖の重要な特徴を決定することを示すことで、この謎を解明し、定量的モデルを用いてこの相互作用の特性を調べた。重要な2つのグルコースセンサーのノックアウトによりこの相互作用を妨害すると、細胞の増殖速度は大きく変化するが、取り込み速度は変化しない。これは、グルコース感知が細胞に与える負荷が軽減されたためである。本研究により、グルコースの感知と取り込みが酵母増殖にかかわる別々の極めて重要なモジュールであり、両者の相互作用を精密に調整および測定できることが明らかになった。

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