Letter 神経:永続的な運動記憶をもたらす急速なシナプス形成とシナプスの選択的安定化 2009年12月17日 Nature 462, 7275 doi: 10.1038/nature08389 新規な運動技能の学習には繰り返しの練習が必要だが、いったん獲得した後は、練習をやめても長く維持される。過去の研究で、こうした学習が一次運動野のシナプス効率の上昇を引き起こし、その持続性が課題の記憶と関連していることが示されている。しかし、運動学習が神経回路に個々のシナプスのレベルでどのように影響するのかや、長期持続する記憶が非侵襲脳で構造的に符号化される仕組みはわかっていない。今回我々は、生きたマウス脳で、シナプス結合が運動技能学習にすばやく反応し、永久的に再結線することを示す。餌に前肢を伸ばす課題を訓練させると、反対側の運動野の出力錐体ニューロンのシナプス後樹状突起棘が、迅速に(1時間以内に)形成された。訓練前から存在したシナプスは選択的に消失し、全体のシナプス密度は徐々に元に戻るが、学習中に生じた新たな棘は、続く訓練中に優先的に安定化され、訓練終了後も長く維持される。また、異なる種類の運動技能は、異なるシナプス集団に符号化されることも示す。マウスの成熟後、それ以前に学習していない新たな課題を与えると、さらに新たな棘形成が起こった。以上より、すばやいが永続的なシナプス再編成は、運動学習と密接に関連していることがわかった。これらの知見は、安定化されたニューロン結合が、持続的な運動記憶の基盤であることも示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る