Article 植物:アブシジン酸受容体によるホルモンシグナル伝達のためのゲート・ラッチ・ロック機構 2009年12月3日 Nature 462, 7273 doi: 10.1038/nature08613 アブシジン酸(ABA)は広くみられるホルモンであり、植物の成長、発生や環境ストレス応答を調節している。その作用はSTARTタンパク質のPYR/PYL/RCARファミリーによって仲介されるが、これらの受容体がABAと結合する仕組みは明らかにされておらず、そのため、ホルモンの結合が下流のタイプ2Cプロテインホスファターゼ(PP2C)エフェクターの阻害につながる機構も解明されていない。本論文では、受容体アポタンパク質、ABAが結合した受容体およびPYL2–ABA–PP2Cの三元複合体の結晶構造を示す。アポ受容体は、リガンドが結合するための開いたポケットをもち、その近傍にはゲートが存在する。ゲートは、ゲートおよびラッチとして働く高度に保存された2つのβループのコンホメーション変化により、ABAに応答して閉じる。さらに、ABAが誘導するゲートの閉鎖によって表面が形成され、それにより受容体はPP2Cの活性部位と結合して、これを競合的に阻害できるようになる。PP2Cの保存されたトリプトファン残基は、ゲートとラッチの間に直接入り込んで、閉鎖したコンホメーションに受容体をロックするように働く。まとめると今回の結果は、ABAシグナル伝達の基盤となっている保存されたゲート・ラッチ・ロック機構を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る