Letter 遺伝:細菌のメタゲノム解析によって明らかになった例外的な構造をもつ非コードRNA類 2009年12月3日 Nature 462, 7273 doi: 10.1038/nature08586 細菌種の総数の見積もりから考えると、既存のDNA塩基配列データベースに登録されているのは、細菌門に由来する全DNA塩基配列空間のごく一部にすぎない。実際に、環境DNA試料には、これまでに知られていない種類のタンパク質やRNAが数多くコードされていることがわかっている。細菌のゲノムDNAのバイオインフォーマティクス研究では一般に、リボスイッチなどの新しい非コードRNA(ncRNA)が同定されている。まれなことではあるが、塩基配列と構造が広範な細菌でもっと広く保存されているRNAも見つかっている。構造化された大型のRNAは、タンパク質合成やRNAプロセシングといった複雑な生化学機能を果たすことが知られているので、大きくて複雑な構造をもつRNAをさらに数多く同定すれば、RNAが担っている別の生化学機能を明らかにできる可能性が高い。我々は、最新のコンピューター計算処理パイプラインを用いて、既知の大型リボザイムに大きさと構造の複雑さで匹敵するncRNAや、その細菌中で最も大量にあるRNAに含まれるncRNAを発見した。これらのRNAは、環境DNA配列を調べないかぎり、同定が困難、あるいは不可能なRNAであったであろうことから、並外れた大きさ、複雑な構造など、例外的な特徴をもつRNAが、これまで調べられていない塩基配列空間に、発見されずにまだ多数残っていることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る