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生態:共生窒素固定では宿主植物ゲノムが細菌遺伝子の欠如を補う

Nature 462, 7272 doi: 10.1038/nature08594

ホモクエン酸は、窒素固定を行うニトロゲナーゼの活性中心である鉄・モリブデン補因子の構成要素である。ホモクエン酸シンターゼ(HCS)をコードするNifVは、さまざまなジアゾ栄養生物で同定されているが、マメ科植物との共生関係でのみ効率的な窒素固定を行うリゾビウム属の細菌(根粒菌)の多くはこれをもたない。今回我々は、マメ科モデル植物であるミヤコグサ(Lotus japonicus)のFEN1遺伝子が、共生窒素固定で根粒菌のNifVの欠如を補っていることを明らかにする。Fix(窒素固定を行わない)ミヤコグサ変異体fen1が形成する根粒は、形態が正常でありながら窒素固定能をほとんど示さない。その原因遺伝子FEN1は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)のHCS欠損変異を補う能力をもつことにより、HCSをコードすることが明らかとなった。ホモクエン酸は、野生型ミヤコグサ根粒には大量に含まれていたが、窒素固定能をほとんどもたないfen1変異体の根粒には存在しなかった。FEN1またはAzotobacter vinelandiiNifVを導入したMesorhizobium lotiを接種すると、fen1変異体根粒の窒素固定能が回復した。外部からホモクエン酸を供給した場合にも、根粒菌バクテロイドのニトロゲナーゼde novo合成により、fen1根粒の窒素固定活性が回復した。今回の結果は、内部共生細菌のニトロゲナーゼ系の効率的で持続的な形成に宿主植物細胞由来のホモクエン酸が必須であることを示しており、共生窒素固定におけるマメ科植物と根粒菌との相補的で不可欠な協力関係の分子基盤を明らかにしている。

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