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工学:シリコンにおける室温でのスピン偏極の電気的生成

Nature 462, 7272 doi: 10.1038/nature08570

半導体中の電子スピンの制御と操作は、電子電荷ではなくスピン配向を用いるデジタル情報表現をめざすスピントロニクスの中核となっている。このようなスピンベースの技術は、ナノエレクトロニクス、データ保存、論理アーキテクチャーやコンピューターアーキテクチャーに大きな影響を及ぼす可能性がある。最近、全電気的な構成を用いて、非磁性半導体(ガリウムヒ素とシリコン)にスピン偏極を生じさせ検出することが可能になった。しかし、これまでのところ、150 K未満の温度でn型材料でしか実現しておらず、今後の開発が制限されている。今回我々は、強磁性トンネル接合からn型およびp型シリコンへの室温でのスピン偏極の電気的注入、Hanle効果によるスピン操作、生じたスピン蓄積の電気的検出を実証した。n型シリコンで2.9 meVという大きなスピン分裂が生じており、これは4.6%の電子スピン偏極に相当する。得られたスピン寿命は、高濃度ドープn型シリコンの伝導電子では300 Kで140 psを超えており、高濃度ドープp型シリコンの正孔では同じ温度で270 psを超えている。スピン拡散長は、それぞれの材料で、電子では230 nmを超えており、正孔では310 nmを超えている。これらの結果は、室温で動作する相補型シリコンデバイスや電子回路におけるスピン機能の実現、さらにこうしたデバイスや回路の可能性と、それらの挙動を支配する原理の探究に道を開くものである。

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