Letter 地球:カリフォルニア湾直下のマントルにみられる対流による上昇流 2009年11月26日 Nature 462, 7272 doi: 10.1038/nature08552 過去600万年間、バハカリフォルニアは北アメリカから分かれて斜めに断裂し、カリフォルニア湾が開かれた。トランスフォーム断層の間にある海底の拡大と断裂は、いくつかの海盆で十分に立証されている。世界中の海底拡大系の中で、ホットスポットが多く存在するアイスランド以外では、カリフォルニア湾は十分な数の地震計に囲まれていて、複数の拡大区域を含む十分長い距離にわたって上部マントルの構造が100キロメートルのスケールの水平分解能で得られる唯一の地域である。このような分解能は、拡大中心直下の浅部マントルにおける力学的上昇流と受動的上昇流の相対的重要性に関する長年の論争に取り組むために必要である。本論文では、レーリー波トモグラフィーを用いて、マントル上部約200キロメートルのS波速度を画像化した。東太平洋海膨の海洋拡大中心直下に存在するのと同様な低S波速度構造が湾全体の下に広がっているが、異常な低速度が集中した場所が約250キロメートル離れて3か所存在していることがわかった。これらの速度異常は地表から40〜90キロメートルの深さにあり、岩石学的研究からは、その深さで受動的に上昇するマントルの広範な溶融が始まるだろうことが示されている。このような地震波速度異常は、保持されたメルトの浮力か枯渇したマントルの密度低下による力学的な上昇流を、部分溶融が引き起こすことを示していると解釈される。 Full Text PDF 目次へ戻る