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細胞:シグナルペプチドはタンパク質トランスロカーゼのアロステリック活性化因子である

Nature 462, 7271 doi: 10.1038/nature08559

細胞質外ポリペプチドは、通常アミノ末端に切断可能なシグナルペプチドをもった「プレタンパク質」として合成され、トランスロカーゼによって細胞膜を横断して分泌される。細菌の主要なトランスロカーゼは、SecYEGタンパク質透過チャネルと細胞質周辺にあるATPアーゼモーターSecAからなる。ペリプラズムやそれより遠くに向かうタンパク質のほとんどは、翻訳後にSecAによって細胞から送り出される。SecAにターゲティングされるプレタンパク質の大部分は、シグナルペプチドとシャペロン様のSecBをもつと考えられている。今回我々は、シグナルペプチドがターゲティング以外の、今まで未知の役割を有しており、トランスロカーゼに必須のアロステリック活性化因子であることを示す。シグナルペプチドは、SecA上の結合溝に位置すると、トランスに作用して3つの状態を連続的に駆動する。まずトランスロカーゼを活性化エネルギーのより低い状態に誘導する「トリガリング」状態、第二は非天然状態のプレタンパク質の成熟ドメインを分泌装置に高い親和性でドッキングする「トラッピング」状態、そして第三は「分泌」状態で、この過程で捕捉された成熟ドメインがいくつかに分かれて数回の転位を行う。成熟ドメインによる関与が大きいことから、細菌の分泌タンパク質のターゲティングでは、シグナルペプチドは現在考えられているほど重要ではないと思われる。シグナルペプチドがタンパク質分泌にとって必須であるのは、トランスロカーゼのアロステリック活性化因子としての機能のためである。シグナルペプチドやターゲティング配列がもつアロステリック活性化因子としての役割は、タンパク質トランスロカーゼに広くみられる性質であるのかもしれない。

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