Letter 物性:高Tc銅酸化物超伝導体におけるフェルミアークとフェルミポケットの共存 2009年11月19日 Nature 462, 7271 doi: 10.1038/nature08521 高転移温度(高Tc)銅酸化物超伝導体の擬ギャップ状態では、角度分解光電子分光(ARPES)測定によって、通常の金属で予想される閉ループではなく、フェルミアーク(大きなフェルミ面における端の開いたギャップレス部分)が観測されている。これは、最近の量子振動測定によってフェルミポケット(小さな閉じたフェルミ面の特徴)の存在が示唆されていただけに、さらに不可解といえる。フェルミアークは既存の理論では理解できない。競合する秩序をもつ従来のフェルミ面ポケットが、細目にわたる理由から光電子プローブでは見えない裏面をもつという解が考えられる程度である。今回我々は、Bi2Sr2−xLaxCuO6+δ (La-Bi2201)のARPES測定について報告し、フェルミポケットの存在を明らかにする。ポケット中の電荷キャリアは正孔であり、ポケットはドーピングに対して意外な依存性を示す。すなわち、ポケットはアンダードープされた試料に存在し、オーバードープされた試料には存在しない。意外なのは、これらのフェルミポケットがフェルミアークと共存しているように見えることである。この共存は理論的に予測されたことがない。 Full Text PDF 目次へ戻る