Article 遺伝:一塩基解像度のヒトDNAメチロームが示すエピゲノムにおける広範囲にわたる差異 2009年11月19日 Nature 462, 7271 doi: 10.1038/nature08514 DNAシトシンのメチル化は、ゲノム制御や発生、疾患などの細胞過程に必須の役割を担う主要なエピジェネティック修飾の1つである。今回我々は、ヒトの胚性幹細胞と胎児繊維芽細胞由来の、哺乳類ゲノムにおけるメチル化シトシンのゲノム規模での一塩基解像度地図を初めて作製し、トランスクリプトームのメッセンジャーRNAや低分子RNA要素、複数のヒストン修飾、およびいくつかの主要な制御調節因子のDNA–タンパク質相互作用部位の比較解析とともに示す。これらの2つのゲノム間では、シトシンメチル化の組成とパターン化に、広範囲にわたって差異が見つかった。胚性幹細胞で同定されたすべてのメチル化のうち約4分の1が非CG配列にあったことから、胚性幹細胞では、遺伝子調節へ作用を及ぼすのに異なるメチル化機構を用いている可能性が示唆される。非CG配列でのメチル化頻度は、遺伝子本体(コード領域)において高く、タンパク質結合部位やエンハンサー領域では低かった。非CGメチル化は胚性幹細胞の分化誘導に伴って消失し、誘導性多能性幹細胞では復元された。多能性と分化にかかわる遺伝子の近位にある数百のメチル化状態の異なる領域や、繊維芽細胞での低転写活性と関連したメチル化レベルの広域な低下も見いだされた。これらの基準エピゲノム情報は、ヒトの疾患や発生におけるこの主要なエピジェネティック修飾を探るうえで、今後の研究の基礎となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る