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免疫:M細胞によるglycoprotein 2を介したFimH+細菌の取り込みにより粘膜免疫応答が始動する

Nature 462, 7270 doi: 10.1038/nature08529

粘膜免疫系は免疫系全体で最も大きな部分を占めており、全リンパ球のおよそ4分の3を含み、病原体から粘膜表面を防御するために毎日数グラムの分泌型IgAを産生する。粘膜免疫応答を誘導するためには、粘膜表面の抗原は上皮障壁を越えてパイエル板のような組織だったリンパ構造に輸送されなければならない。抗原トランスサイトーシスとよばれるこの作用は、特殊化した上皮M細胞によって媒介される。しかしながら、この抗原の取り込みを推進する分子機構はほとんど知られていなかった。今回我々は、腸管上皮細胞のうちM細胞の管腔側細胞膜表面に特異的に発現しているglycoprotein 2(GP2)が、粘膜抗原のトランスサイトーシス受容体として働くことを報告する。組み換えGP2タンパク質は、大腸菌(Escherichia coli)やネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium)といった腸内の共生細菌や病原性細菌の一部と、細菌の外膜の構成成分である1型線毛の認識によって選択的に結合した。これと一致して、これらの細菌は、M細胞の管腔側細胞膜表面上や細胞質小胞内において内在性GP2と共局在を示した。さらに、細菌のFimHもしくは宿主のGP2の欠損により、1型線毛をもつ細菌のM細胞を介したトランスサイトーシスに欠陥が生じ、その結果、パイエル板における抗原特異的免疫応答が減弱した。これらの結果は、GP2が、これまで知られていなかった、1型線毛を有する細菌に対するM細胞上のトランスサイトーシス受容体であり、このような細菌に対する粘膜免疫応答に必要不可欠であることを示している。M細胞は、さまざまな感染症に対する経口ワクチンの標的細胞として有望であると考えられているので、GP2依存的トランスサイトーシス経路は、粘膜ワクチン開発の新たな標的となるだろう。

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