Letter 気候:34.2億年前の温和な気候を示す酸素同位体と水素同位体の証拠 2009年11月12日 Nature 462, 7270 doi: 10.1038/nature08518 先カンブリア時代のチャート(堆積岩の一種)の酸素安定同位体比(δ18O)は、地球の初期気候史の多くを解明するのに用いられており、始生代(約35億年前)の海洋温度は55〜85 °Cの間であったことを示唆している。しかし、原始海洋のδ18Oには不確実な点があるため、この結論には異論が多い。現代と古代のチャートの調査からは、δ18O単独ではなく、δ18Oと水素同位体比(δD)を組み合わせた分析を使う別法のほうが、周囲の水の同位体組成に関する別個に与えられた知識なしで、形成温度をより確実にしぼり込みうることが示されている。本論文では、南アフリカの34.2億年前のバック・リーフ・チャート岩から採取されたδ18OとδDが、さまざまな低温の水からの形成と一致することを示す。18Oが最も豊富なバック・リーフ・チャート岩は、最も低い続成作用温度を記録しており、約40 °C以下の水と平衡となる状態で形成された。地球化学的かつ堆積学的証拠は、バック・リーフ・チャートが浅海から深海の条件で形成されたことを示唆している。したがって我々の結果は、古始生代の海洋が、現代の海洋に比べて同位体が枯渇しており、これまでに考えられてきたよりもずっと低温で40 °C以下だったことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る