Letter 地球:大洋中央海嶺におけるアセノスフェア・マントルの透水係数とメルト抽出速度 2009年11月12日 Nature 462, 7270 doi: 10.1038/nature08517 地球の火成活動は、主に大洋中央海嶺で噴出してきた玄武岩組成のアセノスフェア・メルトによるものが支配的である。このような、最終的には地球の地殻形成にかかわるメルトの分離と輸送の時間スケールは、部分的に溶融したアセノスフェア・マントルの透水係数に強く依存するが、この透水係数は、主に半経験的なアナログモデルから推定されている。本論文では、高温高圧の遠心分離器を用いて400 g〜700 gの加速度で、空隙率が5〜12パーセントのカンラン石集合体における玄武岩メルトの流速を測定した。得られた透水係数は、メルトが完全に連結している微視的モデルと一致しており、これまでのパラメーター化から予測された値より1〜2桁大きい。測定結果を大洋中央海嶺下のアセノスフェアに特徴的な条件にまで外挿すると、透水係数に比例してより速い輸送速度が得られる。この結果を、流路がつながって不安定を生む多孔質媒体モデルに適用すると、アセノスフェア全体で約1〜2.5 kyrの輸送時間が得られたが、これは、大洋中央海嶺玄武岩で観測される230Thの過剰や、226Raなどのさらに寿命の短い同位体についてマントルでみられる特徴を保持するのに十分である。 Full Text PDF 目次へ戻る