Letter 視覚:視覚経験による高速発火性GABA回路の両方向への可塑性 2009年11月12日 Nature 462, 7270 doi: 10.1038/nature08485 経験に依存した脳の可塑性には、興奮と抑制の均衡が必要である。複雑な新皮質の回路網の中で、回路内の個々の要素が、可塑性の最終結果にどのように寄与するかはわかっていない。今回、眼球優位性の可塑性、すなわち、出生直後に片眼の視覚を剥奪した後の、遮蔽眼刺激への感受性と皮質応答性の低下について、細胞内解析を行った。錐体細胞の眼優位性が徐々に失われていく典型的な変化とは異なり、高速発火細胞からのin vivo記録では、意外なことにまず遮蔽眼側への感受性変化が起き、その後に非遮蔽眼への移行が起きた。これは、抑制性ニューロンでの発火タイミング依存的可塑性のルールに合致する。薬物の細胞内投与からも、錐体細胞のGABA(γ-アミノ酪酸)入力の増減切り替えが、幼若マウスの視覚剥奪後に限って認められた。これらの結果は、当初両眼性であったGABA回路が増減両方向に動員されることが、発達中の視覚皮質の経験依存的な可塑性に寄与している可能性を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る